Message from Professor TAKEOKA

 両親媒性分子(リン脂質、糖脂質、アミノ脂質)や医用高分子(水溶性高分子,高分子電解質)、蛋白質、核酸などが構築する多様な分子集合形態や分子間相互作用による協同現象は、 生命現象の理解のみならず、特定の機能を持つナノデバイスの構築においても重要です。本研究室では、生体分子や医用高分子を対象として、これらが集合して構築する分子集合体や構造体を薬物運搬体やナノデバイスとして、医療へ応用展開することを目的としています。
 具体的には、医用高分子から成るナノシート(高分子超薄膜)を“ナノ絆創膏”として応用するテーマ、細胞内の環境変化をイメージングする機能性プローブを開発するテーマ、アミノ酸型脂質分子集合体(リポソーム)を用いた抗がん剤、遺伝子のデリバリーシステムを構築するテーマ、血小板凝集作用を有する機能性リポソームを構築し、人工血小板として応用するテーマに取り組んでいます。
 本研究室ではひとりひとりが、分子設計、分子集合体の設計、分子合成、集合体調製、構造と物性の解析、機能評価までを一貫して行い、しかも産業界や医薬側のニーズに適合する様なテーマを設定するようにしています。そのために、医工連携や産学共同の体制を積極的に行ないながら、学際領域にチャレンジする勇気と緻密な計画の遂行と信頼ある実験結果の報告ができる研究者の育成に心がけています。