研究紹介 / 人工血小板グループ

  当研究室では、出血部位へ特異的に集積して血小板凝集を促進するナノ粒子の開発を行なっている。血管損傷部位に集積し出血部位を充填する効果をもち、血小板の機能の一部を再現することができる。 当研究室では、血小板代替物として、粒子表面にフィブリノーゲン鎖C末端ドデカペプチド(H12)を結合させ、内水相には血小板凝集惹起物質である、adenosine 5’-diphosphate(ADP)を内包させたリン脂質小胞体を調製した。表面にH12を担持させることで、活性化血小板間を架橋して血小板凝集を促進させる機能を付与できる。さらに、内包されたADPが血小板凝集塊中で放出されることで、更なる血小板の活性化を誘起し、より止血能の高い血小板代替物となっている。 これまでに、我々の開発した血小板代替物が血管損傷部位へ集積することが確認されている。また、血小板減少症モデル動物を用いた出血時間測定から、血小板代替物の投与が出血時間を減少させることが確かめられ、血小板代替物として機能することが見出されている。現在、その効力の評価と安全性試験を行い、臨床適用を目指している。(Fig. 1)

Topics

H12結合ADP内包リポソーム

血小板代替物として、粒子表面にフィブリノーゲン鎖C末端ドデカペプチド(H12)を結合させ、内水相には血小板凝集惹起物質である、adenosine 5’-diphosphate(ADP)を内包させたリン脂質小胞体を調製した。

研究内容

ナノシートグループ

自己支持性高分子ナノシートの物性評価と医療応用

バイオイメージンググループ

細胞内の様々な生理現象を可視化するための新規蛍光プローブの開発

ナノ医療グループ - リポソーム

アミノ酸脂質リポソームを用いたより効率の良いDDS担体の開発

ナノ医療グループ - 人工血小板

脂質リポソームを用いた血小板代替物の構築